2026年10月22日に発売された『ファイナルファンタジー レゾナンス』(Steam版は23日発売)は、旧『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(FFBE)の第1シーズンを土台にした買い切りRPGだ。通常版の希望小売価格は7,678円(税込)。元は基本無料のスマホゲームだったのに、この価格を払ってまで遊ぶ価値はあるのだろうか。
Steamでは発売直後から好評が続く一方、シナリオや戦闘テンポを厳しく評価するレビューもある。この両方が成立する理由を、FFBEのプレイ経験/プレイ時間/クリア済みかどうかに分けて見ていきたい。なお、ここで紹介するのは公開されたレビューと公式情報を照合した購入検討記事であり、筆者が本作をクリアしたという実体験の報告ではない。
調査基準日:2026年10月31日。個別のレビュー数・好評率は取得条件と時刻によって変動する。ネタバレを避け、主にシステム・評価傾向を扱う。
結論:7,678円に納得しやすい人・慎重に選びたい人

最初に結論を述べると、FFBEを知らなくても、コマンド戦闘の編成や育成を楽しみたい人には購入候補になる。逆に「FFBE第1部の物語を新規シナリオとして味わいたい」「昔のFFなら必ず感動できるはず」と期待すると、定価購入は慎重に考えたい。
| 読者のタイプ | 購入判断 | 理由 |
|---|---|---|
| FFBE未経験・コマンドRPG好き | 体験版で好感触なら候補 | 原作の予備知識は必須ではない。戦闘・育成が合うかで判断しやすい |
| FFBE経験者・レインたちの再会が目的 | 再構成の価値を感じるなら候補 | ガチャから離れた作品として楽しめる。ただし既知の物語が中心 |
| 原作チェイン戦闘に愛着がある | まず体験版 | 戦闘の中心がブレイクへ変わっており、同じ手触りではない |
| 脚本の深さを最優先する | クリアレビューを確認して保留もあり | ストーリーの構成・終盤の評価は分かれている |
| ランダムエンカウントが苦手 | まず体験版 | 強制的な戦闘機会が合わない可能性がある |
ここでの「候補」は全員に購入を勧める意味ではない。買うか迷っている場合、第1章を無料で遊んでから決められるのが本作の大きな救いだ。公式は体験版のセーブデータを製品版へ引き継げると案内している(体験版の公式案内)。
発売後もSteamの高評価は続いた?数字の読み方
Steam版は2026年10月23日に発売。発売当日23時ごろのGame*Spark報道では、約770件のレビューの96%以上が好評とされていた。10月28日の外部観測では全言語4,129件中3,985件(約96.5%)が好評と報告されている。少なくとも発売直後の反応が数日で一斉に崩れたわけではない(Game*Spark・10月23日/10月28日の言語別観測)。
| 観測時点 | 対象 | レビュー件数 | 好評 |
|---|---|---|---|
| 10月23日23時ごろ | Steam全体(媒体による観測) | 約770件 | 96%以上 |
| 10月28日13時台 | Steam全言語(外部観測) | 4,129件 | 96.5% |
| 10月28日13時台 | 日本語レビュー(同じ外部観測) | 150件 | 88.0% |
| 10月28日13時台 | 英語レビュー(同じ外部観測) | 2,224件 | 97.3% |
※10月28日の数字は第三者がSteamの言語フィルターで記録した値で、独立に全件再集計したものではない。Steamストアは言語・購入方法・表示設定によって件数が変わるため、10月31日の現在値として扱わない。
日本語と英語の間には約9ポイントの差がある。ただし、日本語レビューはこの時点で150件と比較的小さな標本だ。レビュー言語から国籍、FFBE経験、クリア済み割合は推定できない。日本のプレイヤーだけ作品への理解が深い、あるいは海外では宣伝に流されている、といった説明には根拠が足りない。
そもそもSteamの「おすすめ」は必ずしも「シナリオは傑作」の意味ではない。映像、戦闘、音楽、価格との納得感などを合わせた購入者の総合的な反応だ。そこを分解しないと、数字が高い理由も、不満が残る理由も分からない。
高評価の中心は戦闘・育成と懐かしい世界の再構築
実際のクリアレビューを見比べると、評価が繰り返し現れるのはブレイクを軸にした戦闘、ビジョンの組み合わせ、ドット表現と音楽だ。FFBE由来の物語とは別に、買い切りRPGとして設計された遊びに価値を感じている人がいる。
戦闘とビジョンは、批判的メディアも一定の評価をしている
RPG Siteは10月20日公開のレビューで8/10点を付け、戦闘とビジョンの仕組みを大きな成功と評した。一方、VGCは3/5点とやや厳しめの評価ながらも、戦闘とビジョンを作品の目立つ長所として挙げている(RPG Site/VGC)。
評価の温度差があっても、戦闘の仕組みが魅力の一つである点は比較的共有されているようだ。ただし、原作FFBEのチェインを好んでいた人にとっては、別の仕組みに変わったこと自体が不満になる可能性もある。仕組みの違いの詳細は、当サイトの旧FFBE紹介記事(幻影戦争プレイヤーは本家FFBEをプレイするべきか)も背景資料になる。
クリア済みの好評レビューは序盤だけの印象ではない
国内では、ファミ通がレビュー用コードの提供を明示したうえで、50時間以上プレイした高評価記事を掲載している。またGAME Watchは体験版と製品版を合わせ約45時間、GameWithは最高難易度で60時間弱のプレイを紹介している。発売直後のメディア記事だからといって、すべてが「体験版だけの感想」ではない(ファミ通/GAME Watch/GameWith)。
レビュー用コードの提供は透明性を判断する際に確認すべき情報だが、それだけで好意的な内容が無効になるわけではない。評価するときは「どの機種で、何時間、どこまで遊んだか」と「どこを褒めているか」を見る方が建設的だ。
シナリオはなぜ賛否が分かれる?クリア後の批評を比較
戦闘が好評でも、物語への評価が一致するわけではない。RPG Siteは登場人物同士の掛け合いを評価しながら、終盤で物語の勢いが弱まり、作品全体を貫くテーマの薄さを問題視している。VGCも「モバイルゲーム由来の設計が可能性を狭めた」という立場から、物語の予測しやすさなどを批判する。
一方、ファミ通のクリアレビューは、王道のクリスタルを巡る物語と歴代FFへの目配せを積極的に楽しんでいる。同じ作品を最後まで遊んでも、「王道だからよい」と「王道だけでは物足りない」は両立するということだ。
| 出典とプレイ状況 | 評価している点 | 気になる点・留保 |
|---|---|---|
| RPG Site/約40時間、Switch 2版 | 戦闘、ビジョン、映像・音楽 | 終盤の物語、テーマ性、寄り道の質に不満 |
| VGC/PS5版の批評 | 古典的FFの雰囲気、ビジョン | キャラクターの魅力や物語の独自性に厳しい |
| ファミ通/50時間以上、レビュー用コード | 戦闘・育成・シリーズ要素を高評価 | 好意的なクリアレビューとして読む |
| 個人ブログ「ボクヒト」/FFBE未経験、クリア済み | 王道ストーリー、ボス戦、仲間の掘り下げ | ランダムエンカウント、終盤の育成の奥行き、ラストの展開に不満 |
個人ブログ「ボクヒト」の筆者はFFBE未経験と明記し、ストーリーの序盤から終盤までを遊んだ上で、結末には厳しい意見を述べている。FFBEを知らなくても物語を楽しめる人はいるが、未経験なら必ず高評価になるわけでもない(ボクヒト・10月25日)。
反対に、クリア済みの評価を「序盤で離脱した人の不満」と一括りにするのも不適切。物語重視の人ほど、短時間で付けられた高評価より、終盤を含む感想を参照したい。
FFBE経験者の感想:懐かしさは購入の理由になるか
ここで重要なのは、「FFを昔から遊んでいる人」と「スマホ版FFBEを遊んでいた人」は別の集団だということ。FFシリーズの歴代曲や召喚獣が懐かしい人と、原作のレインやラスウェルに思い入れがある人では、再会の意味が違う。
10月27日のReddit投稿では、FFBEを約4年間遊び、約1,200日ログインしたと語るプレイヤーが、『レゾナンス』を購入した直後の感想として、ガチャなしでビジョンの仕組みを楽しめることや、レインたちに再会できることを歓迎していた(原作経験者による一次投稿)。
この感想が示すのは、かつて無料だったゲームを再び遊ぶことにも、経験者にとっては意味がありうるということだ。ただし、この投稿は購入直後の初期感想であり、クリア後も同じ評価を維持したかまでは分からない。初期の懐かしさと、一本のRPGを遊び終えた満足度は分けて読みたい。
原作FFBEではチェインを考えてユニットを組み、更新される環境に合わせて戦う楽しみもあった。買い切り化でガチャ負担から離れられる反面、その独特のバトルを忠実に復元したわけではない。「FFBEの再現」を求める人には別物、「FFBEの人物でもう一度冒険する」を求める人には魅力という差が出るだろう。
現時点では原作プレイ歴を明記した大量のクリア済みレビューを、代表性のある形で集計できていない。「FFBE古参の大半が満足している/不満だ」という結論は出さない。
無料だったFFBEに7,678円払う意味はあるのか
「もともと無料だった」という疑問はもっともだ。しかし、旧FFBEは基本無料の運営型ゲームで、キャラクター入手や進行にはガチャ、継続更新、運営状況が関係した。一方の『レゾナンス』は、ストーリーや戦闘の進め方を買い切り向けに作り直した作品であり、同じ内容を単純に有料化した商品ではない。
7,678円で買う価値は、どの部分にお金を払うつもりなのかで変わる。
| 対価として評価できるもの | 価格に慎重になる理由 |
|---|---|
| ビジョン・ブレイク中心の新しい戦闘と育成 | 旧FFBEのチェイン戦闘が好きだった人には別物 |
| 第1シーズンを一本のRPGとして遊べる構成 | 知っているストーリーが主体で新鮮さが限定的な場合がある |
| ガチャ更新に追われず、作品を遊び切れる形態 | 映像が新しくても脚本の好みは変わらない |
| FFシリーズへのオマージュ、音楽、探索 | 懐かしさが自分の好みに合わなければ価格を正当化しない |
価格をプレイ時間だけで割る方法も参考にはなる。レビューでは本編クリア約30〜45時間、やり込みを含め50〜60時間以上という例がある(AppMedia/GAME Watch)。ただし、長ければお得とは限らない。雑魚戦や移動が苦痛なら、時間の長さはむしろ負担にもなる。
逆に、ガチャで何度も課金する心配なく、好きなタイミングで終わりまで遊べることに対価を感じる人もいるだろう。「無料だった作品」と「7,678円の作品」の比較は、物語の再利用率だけでなく、体験の質と購入後の自由度で判断するのが公平だと考える。
買う前に無料体験版で何を確認する?
公式の「第1章まるごと先行体験版」は、一部レベル制限があるものの第1章を遊べる。セーブは製品版へ引き継げるため、気に入ったらそのまま続きに進める(スクウェア・エニックス公式)。
- 会話のテンポ:レインたちの掛け合いや王道の表現に抵抗がないか。
- 戦闘の手触り:ブレイク、弱点、ビジョンの組み合わせを繰り返したいと思えるか。
- エンカウント:移動中に戦闘が発生する形式を面倒に感じないか。
- 懐かしさとの距離:楽曲・ドット風表現を楽しいと思うのか、既視感が先に来るのか。
- 購入する理由:第1章を終えたとき、続きの物語と育成を7,678円で続けたいと感じるか。
体験版で分かるのは主に序盤の相性であり、終盤の物語や高難度戦闘の評価までは確定できない。購入を迷う人は体験版の感触に加え、クリア済みレビューの具体的な長所・短所を確認すると判断しやすい。
まとめ:発売後のSteam高評価は購入候補として十分に重視できる。しかし、その数字は「旧FFBEの物語が誰にとっても傑作になった」ことの証明ではない。戦闘・育成・映像の再構築には確かな支持があり、脚本・テンポには賛否が残る。FFBE経験者なら再会への思い、未経験者ならRPGとしての相性を分けて考え、まずは無料体験版で決めるのがよさそうだ。
参考資料と調査条件
調査基準日:2026年10月31日。数値は取得時刻・言語・フィルター条件を明記した資料のみ採用した。FFBE経験の明示がないレビューに「原作経験者」の属性を付けていない。




コメント