私のメインブログの方で、2020年に発売となったAppleシリコン搭載初号機のMacbook Proを紹介しました。
その際に、ついでに「M1チップ搭載MacbookならiOSアプリも起動できるよ」という話を割合丁寧に解説しました。
せっかくゲームブログをやっていることもあり、この辺りの詳細についてをレポートしていきたいと思います。
この記事の内容は古いですが、2023年に公開されたGame Porting Toolkitを使えばWindowsゲームがAppleシリコンでもいけそうという記事も更新しました。ようやくAppleシリコンMacのプレイ環境が整うかもしれません。
iOSゲームアプリをMacで起動させるための下準備
まずは、簡単にやるべきことを書いておきます。
ダウンロードの手順
少し面倒な話になりますが、まずは手順だけざっくり書いていきます。
- MacにインストールしたいiOSアプリをダウンロードできるデバイス(iPhoneやiPadなど)を用意する
- Appleシリコン搭載MacとiOS/iPadデバイスをケーブルで繋ぐ
- iOSデバイスoriOS用のAppStoreから、Macに「IPA(iOSアプリのデータ形式)」をインストールする
- MAC上でIPAファイルを起動する
- 該当のiOSアプリがインストールされる(勝手にAppleシリコン仕様になる)
- アプリが起動できる
全く想像がつかないと思いますが、とにかくiOSアプリのファイルである「IPA」さえあれば、Macで起動できます。
問題は、どうやってMacにIPAをインストールするか、ということですね。
Macでipaインストーラが起動しなくなる
まだ確定ではありませんが、macでipaファイルをインストールできなくなりそうです。
1月14日以降にアップデートが必要なアプリ、軒並み起動できなくなったね
これまでは、ipaファイルを開くとインストーラが起動してアプリ生成してくれていたのですが、どうやらここでストップがかかるようにアプリ改訂されているみたいです。
インストーラさえなんとかすれば回避できそうな気もしますが、今後のBis Surの更新で正式にAppStore外のipaアプリのダウンロードが制限される流れを考えると、いずれにせよ潮時な感じはしますね。
https://iphone-mania.jp/news-340700/
iosアプリの自動化は割と楽チンで作業時間増やせて有意義だったのですが、あまり回避方法を仕込みすぎると読者もついて来れなくなるので、私はこの辺りで撤退することにします。
BigSurアップデートで完全に使えなくなる
上述の通り、BigSur 11.3のアップデートで完全にAppStore外のipaファイルのインストーラが起動しなくなりました。これはもう仕様だと捉えていいでしょう。
iOSアプリのデータをMacにエクスポートする方法
問題なのは、このIPAファイルをどうにかしてMacにインストールすること。私は2パターン試して、1つしか成功しませんでした。
成功例:iMazingを使用する
iMazingはiTunes代理ソフトで、言い換えるとiPhoneなどのデバイスのバックアップデータを作るソフトウェアです。もちろん、Macがあれば特に何かをインストールする必要もなくFinder(フォルダの機能)だけでバックアップ作成が可能です。
iTunesが改変、iTunes自体なくなる
しかし、iTunesのアップデートでいつしか「アプリ本体」のバックアップは取らずにAppStoreから再ダウンロードする仕様になったので、バックアップデータを利用して利用したいiOSアプリを抜き出すことはできなくなりました。
そのため、iOSアプリ本体のバックアップは外部ソフトを使う必要があります。
たぶん、アプリのバックアップができるソフトは(中国製で)腐るほどあるのですが、YouTubeなどにも方法が上がっている「iMazing」を手っ取り早く利用することにします。無料ですし。
https://www.youtube.com/watch?v=UpCjl2WOuYs
IPAであればいいというわけでもないようだ
詳細な利用方法はiMazingの操作方法に準拠していただければいいのですが、のちに失敗例として一応紹介するipaファイルの抜き出し方から、どうやらダウンロードするデバイス(今回で言えばシリコンMac)でしか開くことができないので、MacでiOS用のAppStoreからダウンロードするという過程を踏まないと、色々不具合が出るようです。
iMazingを使ったIPAファイルをMacにダウンロードするまでの手順
- iMazingを起動したMacとiPhoneをUSBケーブルで繋ぐ
- iMazingでiPhoneを選択する
- iPhoneアプリのライブラリをリストアップする
- ライブラリから該当のiOSアプリを選択し「クラウドマーク(雲)」をクリック
- iMazing上にiOSアプリがインストールされる
- インストールが終わったらiOSアプリを右クリックし「IPAファイルでエクスポート」を選択
- 任意の場所にIPAファイルがダウンロードされる
- ファイルをクリックして起動する
こんな感じでできました。
失敗例:Apple Configurator 2 を利用する
Apple Configuratorを私自身がよくわかっていないのですが、AppStoreを通さないで、企業内などで自作のアプリを配布する際に使用したりするApple公式のMacアプリ、らしいです。
iMazingは、ちょっと怪しい雰囲気があるのと、AppStoreにアクセスする必要があるのでAppleIDとパスワードを入力しないといけないので心配なんですよね。
というわけで、公式アプリを利用してIPAファイルを抜き出す方法を探しました。すぐ見つかりました。
https://www.softantenna.com/wp/tips/apple-configuratior-2-ipa-backup/
Apple Configurator 2を利用してIPAファイルを生成する方法
ざっくり概要を書くと、こんな感じ。
- Apple ConfiguratorをMacで起動
- MacとiOSデバイスを繋ぐ
- ACのアカウントをサインインさせておく(AppleID)
- AC上でiOSデバイスにアプリをインストールする
- インストールは「追加」や「アップデート」で該当のiOSをMac上に一度ダウンロードする
- Macに一次的に該当のiOSアプリが保存される
- キャッシュフォルダを開いて一次的に保存されている間にコピーしてどこかに保存しておく
- IPAファイルが完成
キャッシュフォルダ名
~/Library/Group Containers/K36BKF7T3D.group.com.apple.configurator/Library/Caches/Assets/TemporaryItems/MobileApps/
キャッシュフォルダは、Finderのメニューから「移動」「フォルダに移動」or ショートカットキー「shift + command + G」で開き、上記フォルダ名をコピペして移動します。
一時フォルダがないと表示されないので、一瞬だけ表示されるそのタイミングが重要です。
アクセス権が、ない
さて、何が失敗したかというと、アクセス権がないから所有者に連絡してどうにかしろというアナウンスが表示されます。
試しに、アクセス権をいじってみたのですが、変化なし。First Aidをかけて再起動しても変化なし。私くらいの知識ではお手上げです。
このアクセス権が何を意味しているのか、何を書き換えれば起動するのかがわかれば、たぶんこの方法でもいけるはずです。
AppStoreからダウンロードしないといけない?
iMazingは、たぶんiMazing上でiOS用のAppStoreにアクセスして、Macにエクスポートしているからうまくいくんだと思いますが、上記方法だとアクセス権がiOSデバイス側にある状態のIPAファイルになってしまうんじゃないかと勝手に想像しています。詳しい人、教えて。
Macで起動するからできること
そもそも、私はiPhoneもiPadもあるのに、なぜMacでiOSアプリをやらなければいけないのか。その理由を解説します。
実際にMacで起動できたアプリ例
私のゲームセンスがバレるところですが、ブログ書いてすでに晒している状態なので。
MacでプレイできるiOSゲームリスト
感覚的には、7割くらいはできる感じですね。パズドラなどのスワイプパズル系、ハンドレッドソウルや原神などのアクション要素が多いものに関しては、仮にプレイできたとしてもMacで起動する意味が皆無なので試していません。データの一時避難所くらい?
逆に、できなかったアプリ
特に、新しいからダメとか、古いからいいというわけではないみたいです。ディベロッパーも関係はなさそうですが、DokiDokiが開発しているVPアナトミアとオクトラはアウト。
iPhoneとiPadで異なるアプリになるか
ちなみに、環境としては前回の記事でも書いた通り、iMazingを利用しています。この場合だと、iMazingを通してAppStoreからインストールしたものをIPAとしてエクスポートし、IPAインストーラーファイルができます。このインストーラーを起動するとAppleシリコン仕様のアプリになるようです。
iPhoneとiPadどちらからエクスポートしても一緒
結局、AppStoreからIPAファイルをダウンロードしているだけなので、生成されるアプリは一緒です。
iPhoneサイズとiPadサイズで選べるかと思いましたが、今はスマホとタブレットのデバイスの区別はなくレスポンシブデザインでアプリが作られているのでしょうね。
また、インストーラーから複数のアプリアイコンは作成できますが、どのアイコンからでも同じアプリが起動されるので、「複数アプリの同時展開」はできない様子。
もちろん、回避方法はいくらでもありそうですが、あまり非正規ルートを作りすぎるとディベロッパーからお叱りのアカウント停止を喰らいそうなので、あくまでもMacをiOSデバイスとして扱う程度の使い方でいきます。
今のところはiPadサイズが優先されるようだ
まだ仕様が理解できていない段階なので断言はできませんが、iPad用のサイズに対応しているものは全てiPadサイズのウィンドウで展開されます。
今のご時世、スマホに対応してタブレットに対応していないアプリは珍しいと思いますが、iPhoneサイズしかないアプリだとウィンドウサイズがスマホになるのかもしれません。
MacでiOSゲームをやるメリット
あえてMacで起動するのは、以下の期待があるからです。
- MacのCPUならサクサクプレイできる
- コントローラーなどが使えるようになる(未確認)
- 複数アプリをでかい同一ディスプレイで展開できる
- Automatorなどの自動化ツールが利用できるようになる
- ゲーム実況などの動画素材をそのままMacに作成できる(画面収録)
概ね、チートの方向にはなると思いますが、Macだからこそできることはたくさんあるはずです。
動画作成にも便利
最近は動画制作がある程度収益化しやすくなっており、ゲームやるだけで素材ができるゲーム実況なんかは需要があると思います。競合も多いけど。
今はスマホやタブレットで画面収録できるし、動画配信アプリでそのまま配信できたりもするけど、やはり差別化をはかるならしっかりと編集してみやすいものを作りたいところですね。
やっぱり操作のオート化
別記事でAutomatorを使ってのゲーム周回自動化については解説しています。
実際、起動したい時間に勝手に集会を終えてくれるので便利ではありますが、それ以上に、習慣化している雑務を切り離したら、「もうこのゲームやらなくて良くね?」ということに気づけたことが大きいと思います。
アップデートの仕方
頭を抱えていたのが、アプリのアップデート方法です。でも、思った以上には簡単でした。今回はiMazingを使用してアップデートしてみます。
- iMazingを起動
- デバイスと接続しておく(一度認識しておけば無線でもOK)
- アップロードしたいアプリがあるデバイスを選択する
- デバイスの「アプリを管理」を選択
- アップデートのあったアプリをライブラリから選ぶ
- 一度iMazingにインストール(雲マーク)しておく
- インストールされたものがアップデート済みのバージョンであることを確認する
- アップデート済みのアプリをIPAでエクスポート
- エクスポートしたアプリインストーラーを起動
- 既存のアプリがアップデート後のものに置き換わる
- (前にあったものを削除して、新規アプリの名前を置き換える)
全てのアプリを試したわけではないのですが、やはりアプリのセーブデータなどのデータに関してはアプリとは別に保存されており、アップデートしたアプリ本体を入れ替えるだけで既存のデータを活用してくれる仕様ではあるみたいです。
ただ、基本的にはセーブデータがサーバー側にあってアカウントと紐付けできる(自動バックアップされている)ゲームを選ぶことをお勧めします。
アップデートごとにデータが消えるんじゃないかとヒヤヒヤするのは嫌だしね。
加えて、MacのOSをアップデートした時も心配ですね。
これはまだ試していないので、皆さんもご注意を。
MacでiOSをプレイする際に参考になる記事リンク
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